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『立正安国論』とは |
今からおよそ760年前の鎌倉時代、鎌倉では大きな自然災害が続き、多くの人々が死んでしまいました。当時鎌倉に住んでいた日蓮聖人はこの状況に深く悲しみ、災害が起こる原因を調べるため日蓮聖人はたくさんのお経を読み、災害の原因を突き止めました。そして執筆されたのが、『立正安国論』です。日蓮聖人は「一刻も早く正しい心を持ち、この国を平和な国にしなさい」と説き、この『立正安国論』を当時の最高権力者に渡しました。しかし幕府から何の返事もなく、更にこの『立正安国論』によって数々の災難が日蓮聖人に降りかかることとなったのです。しかし仏の子として生まれた日蓮聖人は数々の災難に屈することなく、生涯この「立正安国」の精神をもちつづけるのでした。 |
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『立正安国』という名前の由来 |
- 立正とは
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- 「正法を建立する」ということ
- 正法とは正しい教え、すなわち法華経を指しています。その法華経を建立(立てる)、立脚するということです。
(立脚=自分の依って立つ場をそこに定めること。立場を決めてそれを拠りどころとすること)
- 安国とは
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- 「日本国ないし一閻浮提の万人を安穏にする」ということ
- 一閻浮提とは我々人間の住む全世界という意味です。日本国を含め全世界を、
変わりなく穏やかにする、仏の国にするということです。
- 立正安国とは
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- 「正しい法を立てて国土を安んずる」ということ
- 正しい法(教え)である法華経をよりどころにし、我々の住んでいる世界を平和な国、仏の国にしよう。
- 国というのは、人間が集まってできているものです。その人間の行いというのは、その皆の心の現われたものでありますから、人々の心がまがっていれば世の中が善くなるわけがありません。そこで我々の心を正しくしようとすれば、正しい教えの力によるしかないのです。正しい教えを立てて、その正しい教えに依って人々の心も正しくして行けば、人が集まって作っているところの国家というものもおのずから安らかになることでしょう。
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