「慈悲」とは「慈しみの心」とも呼ばれ、他人の苦しみを取り除き、相手に幸せを与える、「抜苦与楽」(ばっくよらく)という意味で、誰かが苦しんでいる時、その人の苦しみを自分の苦しみと感じ、守りたいと自然に思い、ふるまうことをいいます。
お釈迦さまは、「私たち人間がどう生きるべきか」という問いに対して、「常に慈悲の心を持って、人と共に生きなさい」と導かれました。
「慈悲」とは仏教の根本であり、人間の心の源(みなもと)として、私たちがもっとも大事にしなければならないお釈迦さまの教えです。
一切の生きとし生けるものは
幸福であれ、安穏であれ、安楽であれ。
何びとも他人を欺いてはならない。
たといどこにあっても他人を軽んじてはならない。
他人に苦痛を与えることを望んではならない。
あたかも母が己が独り子を命を賭けて護るように、
一切の生きとし生けるものに対しても
無量の慈しみの心を起すべし。
『スッタニパータ』 |