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ご法事とは |
「ご法事」というのは、亡くなった人の冥福のために忌日に行う儀式、忌日の法要のことですが、それを英語ではa memorial Buddhist service(仏教者の追悼のおつとめ)というのだそうです。
普通、ご先祖や亡き人の霊を供養する法要のことを「ご法事」といいますが、具体的には亡くなって一週間目の初七日忌から始まって、四十九日目の七々日忌、丸一年の一周忌とつづき、その後は三と七という数字のつく年ごとに、三回忌、七回忌、十三回忌、十七回忌というふうに、ずーっと五十回忌まで行います。
仏教では亡くなった故人には「戒名」という仏さまの弟子としての名前をつけます。亡くなった人は仏さまのもと(浄土)に往くんですから、仏さまの弟子としてふさわしい新しい名前をいただくわけです。つまり、仏さまのもとで六道輪廻を越えて、すばらしい菩薩や仏になるために、一所懸命に修行してくださいという意味なんですね。
それでは、「ご法事」は何のためにするのかということですが、その一つの理由は「追善供養(ついぜんくよう)」といって、亡き人の苦しみを除き幸わせになってもらうために、残された縁の深い人たちが善い行い(善事)を積んで、それを死者にさしむけることによって、死者の積む功徳のたすけとするためなんです。つまり、亡き人が仏さまのようになるようにと、その幸わせを祈る行為が「ご法事」なんですね。
もう一つの理由は、故人を偲び心を寄せるためです。いつまでも生きてあるがごとくに心をかよわせ、先祖の「生命」を継いでいくためなんです。
仏教の開祖であるお釈迦さまがお亡くなりになろうとするとき、お弟子の一人があまりの悲しみのあまり、お釈迦さまに泣きながらたずねました。「お釈迦さま、お釈迦さまがお亡くなりになったら私たちはどのように生きていったらよいのでしょうか。もう、お会いできなくなるのが悲しうございます…。」
すると、お釈迦さまはこう申されました。
「すべてのものはうつりゆく、おこたらずつとめよ。私が今まで説き聞かせた教えを大切にするがよい。泣くことはない。私はいつまでもお前たちとともにいる。私といっしょにいたければ、私のことを切に思いなさい。私はつねにお前たちのところにあらわれるであろう」と…。 |
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