日蓮宗有志集い「地涌塾」結成
目指すは松下村塾 |
多くの人に日蓮聖人の教えや生き方を学んでもらおうと有志僧侶が「地涌塾」（片岡邦雄代表）を組織。その第１回目の例会が５月８日、東京・都市幕の盛泰寺で開催された。僧侶や檀信徒など約40人が参加、片岡会長が独自の信仰的視点から「日蓮聖人の大曼荼羅について」と題し講演した。
地涌塾は片岡代表や星光喩氏（埼玉・本応寺住職）、急逝した故久住謙足氏（元現代宗教研究所所長）などが中心となって立ち上げた。“おもゆからコシヒカリまで”をキャッチフレーズにしており、「肩書き、年齢を抜きにして大聖人の心と徳を学ぼう」と多くの人に参加を呼びかけている。
発足後初となる今回の例会では、事務局長の星氏が地涌塾の趣旨を説明。その後、片岡代表が講師となり、「日蓮曼荼羅」の本質的な意味について考察した。
片岡代表は冒頭で、従来使用されている「曼荼羅本尊」という呼称は「あまりふさわしくない」と指摘。「本尊を広げたところに曼荼羅があるというのが本来のイメージ」と解説し、実際には「本尊大曼荼羅」という呼称を用いるのが正しいとする考えを示した。
また日蓮曼荼羅の運筆にも注目し、その姿は「曼荼羅が十方に響く様を表現した『妙声線』を表していると考察。さらに「（曼荼羅は）日蓮聖人自身が体験し、その喜びを表現したもの。聖人の大慈大悲が曼荼羅として輝いている」と紹介し、「曼荼羅と一体となり、そのことを感じるのが毎朝の勤行であり、大曼荼羅修行ではないか」などと参加者に説いた。
地涌塾では今後も月１回のペースで例会を開く方針。今年８月31日には鎌倉・安国論寺で結集「立正安国論にまなぶ深めあう集い」も開催されることになっている。
出版事業に関しても『地涌塾報』（年４回）や教化誌（年１回発行）を刊行する予定。現段階で教化誌『立正安国論Ｑ＆Ａ百問百応（仮称）』の編集や、地涌塾ＨＰなども開設が進められているという。
星事務局長は同塾について「日蓮宗の松下村塾になれば」とコメント。「我々も四捨五入すると70歳。次世代に残せる仕事ができれば」と強い意欲をのぞかせた。
２回目の例会は６月12日午後６時から。会場は今回同様、盛泰寺となっている。 |
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